WEBサイトのパフォーマンス向上:
デジタルマーケティングツールとアクセス解析

 2024.12.27  デジタルビジネスシェルパ

デジタル化が進む現代において、企業のマーケティング方法もまた大きく変化しています。WEBサイトは企業の顔であり、顧客との最初の接点となります。そのため、WEBサイトのパフォーマンスとUX(ユーザーエクスペリエンス)の最適化は、ビジネスの成功に直結する重要な要素です。本記事では、WEBサイトの運用におけるアクセス解析について、各種ツールや活用方法を解説します。

WEBサイトのパフォーマンス向上:デジタルマーケティングツールとアクセス解析

デジタルマーケティングソリューション

アクセス解析の基本概念

アクセス解析は、WEBサイトへ来訪したユーザーの行動や属性などを分析することで得られたデータに基づき、最適なサイトの改善や効果検証に繋げることが目指せます。ビジネスの意思決定において、ユーザーを深く理解することが注目されつつあります。アクセス解析は意思決定を行う上で重要な作業と位置づけられます。

WEBサイトのパフォーマンス向上のためのツール

WEBサイトのパフォーマンス向上のためのツール

アクセス解析ツールを使うことで、サイト訪問者数や滞在時間、コンバージョン率などの重要な指標を把握することができます。ユーザーの属性や行動パターン、利用端末や流入経路などの詳細なデータも収集できます。ツールを効果的に使用することで、データドリブンの意思決定、コストの最適化やユーザーエクスペリエンスの向上など多くのメリットを得ることができます。主要なツールをご紹介します。

  • Google Analytics(GA)
    Google AnalyticsとはGoogleが提供しているアクセス解析ツールで無償版と有償版が提供されております。登録したサイトの「訪問者数」「訪問者の流入先」「どこで離脱をしているのか」「どのデバイスで視聴されていることが多いのか」などのユーザー行動に関するデータを把握することが可能です。また、施策の効果を確認することもでき、例えば広告を打った際に「広告によってどれくらいの訪問者数が増えたのか」といったデータをチェックすることが可能です。
    王道の定番ツールとして多くのサイトで導入されております。データの定義や探索レポートの設定方法を覚えるなど、使いこなすためにはある程度の専門知識が必要となります。
    Google Analyticsは、定点観測に適しています。定点観測とは、Google Analyticsなどのアナリティクスツールを用いて「結果の数字」を把握することです。結果の数字とはMAU(Monthly Active User)、DAU(Daily Active User)、ページアクセス数などのような数字のことで、これらの数字を追うことで、施策等に対する顧客の反応を見ることができます。
    GA4の導入方法は下記で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
    https://developers.google.com/analytics?hl=ja・Adobe
  • Adobe Analytics
    Adobe Analyticsは、Adobeが提供する有償のアクセス解析ツールです。Adobe Analyticsも、Google Analytics同様に、サイトアクセス数、流入先などのユーザー行動を分析することができます。
    WEB分析からマーケティング分析、顧客インテリジェンスに至るまで、多様なデジタル分析に対応し、カスタマージャーニーのあらゆる側面から顧客理解を促進します。
    Adobe Analyticsは、課題探索に適したツールです。課題探索とはユーザー行動における「要因」を分析することで、これまで主流とされていた手法です。
    例えば、サイト来訪者が資料請求までに至らなかったとしましょう。「なぜユーザーは途中で離脱してしまったのか」というようなマーケティングファネルにおいて特定の課題をスポット的に分析し、課題探索を行います。
    課題探索を行うことで、問題の原因となっている点を把握し改善を施せますので、コンバージョン率アップへと繋げることもできるのです。
    Adobe Analyticsに3つの大きな特長があります。
    一つ目は、レポート作成時間を短縮するワークスペース機能です。ドラッグ&ドロップの簡単な操作でビジュアル化したデータを見ることができるので、詳細なレポートを直感的に作れる柔軟性と、何回でも行える深堀や比較が簡単に行えます。
    二つ目は、レポートの対象データを絞り込むことができるフィルタリング機能「セグメント」です。Google Analyticsでは様々な制約がありますが、Adobe Analyticsにはありません。
    セグメント機能を使用することで、例えば商品を購入した人と購入に至らなかった人のデータなどを比較することができるようになります。分析する対象を絞り込み全体の数値と比較することで、どのようなユーザーやページに対して改善を施すべきかが明確になってきます。
    最後が、フォールアウト機能です。サイトの目標達成度が把握することができます。サイト来訪した人で最終的に何人が目標達成したか、どのポイントで離脱していたかを把握することができます。
    例えばECサイトでは商品の購入がゴールとなりますが、商品購入に至るまでに、商品ページ⇒買い物かご⇒配送先の登録⇒決済情報の入力⇒商品購入完了というチェックポイントがあります。もし、決済情報の入力で離脱している人が多ければ、「決済の操作を簡単にする必要があるかもしれない」というような改善策を検討することが行えます。
    Adobe Analyticsを更に詳しく知りたい方は、下以下のリンクを参考にしてください。
    https://business.adobe.com/jp/products/analytics/adobe-analytics.html
  • その他の主要ツール
    Google AnalyticsやAdobe Analyticsの他にも、「ヒートマップ解析ツール」や「ユーザー行動観察ツール」などを活用することで、より手軽にユーザー像や行動の把握ができるようになります。
    ページがユーザーにどの程度読まれているかを、サーモグラフィーによって可視化するヒートマップ分析ツールや、ユーザー行動の順序や流れ(シーケンス)を効率的に抽出・可視化できるユーザー行動観察ツールなどあります。
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アクセス解析の活用方法

アクセス解析の活用方法

アクセス解析は、「トラフィック」や「コンバージョン数」を把握するだけのものではありません。実際はサイト全体〜特定ページに至るまでの人の流れや行動を捕捉し、あらゆる施策効果の検証ができるものです。

  • トラフィック分析とユーザー行動の理解
    WEBサイトのパフォーマンスを上げるには、トラフィックやサイト内でのユーザーの行動を定期的に分析して改善を繰り返すことが重要です。サイトトラフィック分析は、WEBサイトへ来訪したユーザーの流入経路を調査することができます。WEBサイトへ流入してくる効果的な媒体を特定することができます。WEB広告などの施策に対し、効果測定を行い次の施策へ活かせます。
    WEBサイト来訪者のユーザー行動を分析する点では、アクセス解析と似ていますが、アクセス解析はWEBサイトにアクセスしたユーザーの行動を追い、サイト内の行動分析を行います。
  • KPI設定とモニタリング
    アクセス解析を使ってデータを取得することで、リアルタイムなモニタリングも可能になります。
    例えば、WEBサイト経由の「月間資料請求数」を1千件とした場合、翌月になってから結果を振返るのではなく、仮に半月が経過した時点で「約500件に届いていない」ということがわかれば、目標達成に向けて追加の施策を立てることができます。
    WEBサイトの成果を最大化するためには、目標までの途中経過を観測し、必要に応じてリカバリーの施策を新たに行うことが重要です。そのためには、アクセス解析による継続的なモニタリングが重要となります。

データに基づく改善策

データに基づく改善策

アクセス解析は、ユーザーの行動を可視化し、WEBサイトの改善につなげるために不可欠です。ただし、単純にデータを収集するだけでは意味がなく、WEBサイトの目標と現状を明確にした上で、どこに課題があるのか仮説を立ててデータ分析に取り組むことが大事です。

  • コンバージョン率の最適化
    離脱率を減らしコンバージョン率を上げるためには、エクスペリエンスを継続的に調整していく必要があります。しかし、実際どのくらいの効果があるかわからないのに、WEBなどの変更に膨大な時間や費用を費やしてはいないでしょうか。本来実施すべきは、もっとも高い確率で顧客をコンバージョンへと導くことのできるオファーやレイアウトの組み合わせを見つけ出すことです。そのためには、カスタマージャーニーをコンバージョンへと導き、売上に結び付ける施策を最適化し、ビジネス貢献度をKPIとして評価しなければなりません。
  • コンテンツ改善とユーザーエクスペリエンス
    収集したデータを基に、各ページのコンテンツを評価します。例えば、滞在時間が短いページは、コンテンツがユーザーの期待に応えていない可能性があります。この場合、以下の改善策を検討します:
    ・コンテンツの質の向上: 情報の充実や視覚的な要素の追加。
    ・ユーザーのニーズに合わせた内容: ユーザーが求めている情報を提供する
    また、サイトの使いやすさ(ユーザーエクスペリエンス)の検討も重要なポイントとなります。
    ・ナビゲーションの改善: ユーザーが目的の情報にたどり着きやすいようにする。
    ・ページの読み込み速度の向上: ページの表示速度を速くすることで、ユーザーのストレスを軽減する。
    必要に応じてA/Bテストの実施やヒートマップを活用し効果をモニタリングし評価して行います。

成功事例と学び

成功事例と学び

  • 某旅行予約サイトにおける、予約率の向上
    -解決策: アクセス解析ツールを活用して、ユーザーの行動データを分析し、どのページが最も重要かを特定しました。また、A/Bテストを実施して、最適なページデザインを見つけ出すことに成功しました。
    -結果: これにより、予約率が大幅に向上し、ユーザーエクスペリエンスも改善されました
  • 某音楽配信サイトにおける、パーソナライズ音楽レコメンドの実現
    - 解決策: アクセス解析ツールを使用して、ユーザーの視聴データをリアルタイムで分析し、個々のユーザーに最適な音楽を推薦するアルゴリズムを改善しました。
    - 結果: ユーザーのエンゲージメントが向上し、リテンション率も上昇することに繋がりました
  • 某ゲーム機器メーカーにおける、売り上げ増加
    - 解決策: アクセス解析ツールを活用して、ユーザーの購入パターンを分析し、どの製品が最も人気があるかを特定しました。また、マーケティングキャンペーンの効果をリアルタイムで追跡しました。
    - 結果: これにより、売上が大幅に増加し、マーケティングのROIも向上しました
  • 某ホームセンターにおける、顧客体験の向上によるインサイトの発見
    - 解決策: アクセス解析ツールを使用して、オンラインと店舗での顧客行動データを統合し、クロスチャネルの顧客インサイトを得ました。
    - 結果: 顧客満足度が向上し、売上増加へ繋がりました

まとめ

WEBサイトのパフォーマンス向上:デジタルマーケティングツールとアクセス解析 02

これまでもマーケティング施策を行われていましたが、より高度により多くのデータを収集し分析を行い、パーソナライズされたキャンペーンやエクスペリエンスの提供を行うことが、他社との競争優位を図る上で重要となります。
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)では、デジタルマーケティングにおいて、現状分析から最適な施策検討及び運用まで、企画検討段階からソリューションの導入及び改善サイクルの実行までご支援致します。
些細なお困りごとから、ぜひお気軽にご相談ください。

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