企業のDXが進む中、新しいシステムやソフトウェアの導入が増えています。しかし、高機能なツールを導入しても、実際に使われなければ、期待する成果を得ることはできません。こうした課題を解決するために注目されているのがPendo(ペンド)です。本記事では、Pendoの特徴や主な機能、導入するメリットについて詳しく解説します。

Pendo(ペンド)が必要とされるようになった背景
現代のビジネス環境では、クラウド化やデジタル化が進んでおり、企業はソフトウェアの利用を避けて通ることができません。しかし、技術は単に導入するだけではなく、活用することこそが重要です。そのためには、組織全体でデジタル技術を受け入れ、効果的に使用することが求められます。Pendoは、このデジタルアダプションのプロセスを支援するために開発されたプラットフォームであり、従業員が新しいソフトウェアをスムーズに導入し、活用できるよう支援します。
Pendo (ペンド)とは?
Pendo(ペンド)は、システムやソフトウェアの利用定着を促進するデジタルアダプションプラットフォーム(DAP)です。ユーザー行動を分析し、可視化することで、効果的なシステム活用を促進します。ここでいうユーザーとは、システムを利用するユーザーを指し、顧客はもちろん、従業員も含まれます。
Pendoは、数あるDAPの中でもプロダクトアナリティクスに強みがあり、ガイド表示に加え、ユーザー行動を詳細に分析できる点が特徴です。また、ノーコードの単一プラットフォームで、データ収集から分析、フィードバックまでの一連のプロセスを提供します。既存のSaaSや自社開発のシステムにも対応しており、複数のツールを組み合わせることなく、1つのプラットフォームで包括的なシステム定着のサポートを実現できます。
Pendoの3つの機能
Pendoは、システムを利用するユーザー行動の分析、ガイド表示、フィードバック収集の3つの機能でシステム定着を支援することによって、導入効果を最大化し、業務効率化を実現します。
1. ユーザーの分析
Pendoの基本機能のひとつがユーザーの行動分析です。システム・ソフトウェアを使用するユーザーのログイン状況や、どの機能を利用しているのかをデータとして収集・可視化でき、人の目ではなかなかわからない、「誰がどの機能を使いこなしているのか」「どの機能が十分に活用されていないのか」などを行動パターンのデータで把握することが可能です。
特に、新しいシステムを導入した際は、社員の利用状況を把握し、適宜サポートを提供することが重要です。Pendoを活用すれば、例えば「導入から一定期間経っても一部のユーザーが特定の機能を使用していない」といった課題を早期に発見できるため、利用が進んでいないユーザーへのフォローアップを行うことで、システムの定着率を向上させられます。
2. ガイドの表示
Pendoは、アプリケーション内にシステムを利用するユーザー向けのガイドを直接表示し、システム活用を促進します。AIを活用してガイドを自動作成し、ユーザーに直接通知を送ることも可能です。さらに、分析した結果と連携させることで、特定の機能を使用していないユーザーに対してのみガイドを表示できます。例えば、一部のユーザーがSaaSツールの特定機能を活用していない場合、そのユーザーに対して機能のメリットや使い方をわかりやすく説明するガイドを表示することで、利用促進につなげることができます。
3. フィードバック機能
Pendoのもうひとつの機能がフィードバックの収集と分析です。この機能を活用することで、システムを利用するユーザーからの評価を定量(NPSや5段階評価)・定性(コメント)の両面で収集し、システムの改善に活かせます。モバイルアプリにも対応しており、リアルタイムでフィードバックを収集することで、システムの改善点をすばやく特定し、アップデートに反映させられます。
また、Pendoのフィードバック機能は、システムの管理者がユーザーのニーズを把握しやすくするだけでなく、社内のITサポート部門の負担を軽減する効果も期待できます。よくある質問や課題を把握し、適切に対応することで、ユーザーからIT部門への問い合わせを未然に防ぐ施策を検討できます。その結果、IT部門への問い合わせ件数を削減し、ユーザー満足度の向上につながります。
Pendoを導入するメリット
システムのアップデート時には操作方法が変更されることもあります。従来であれば、変更内容をマニュアルに反映し、再配布する手間がかかっていました。しかし、Pendoなら、システムのアップデート内容や新しい操作方法などの情報を、システムを利用するユーザーに表示できるため、都度マニュアルを修正する必要がありません。こうした自動化により、運用にかかるコストや工数を大幅に削減できます。
Pendoを導入することにより、システムやソフトウェアの能力を最大限に引き出せるほか、ユーザーの使いやすさの向上、システム定着化コストの削減、問い合わせ対応・ユーザーガイド更新コストの削減が期待できます。日常的な操作では専門的な技術サポートも不要です。詳しくは以下で解説します。
システム・ソフトウェアの効果を最大限発揮することが可能
Pendoを導入することで、システムやソフトウェアの潜在能力を完全に引き出すことが可能です。先述したユーザーの分析機能により、システムを利用するユーザーの行動データを収集・分析し、どの機能が頻繁に使用され、どの部分がユーザーにとって使いにくいかを明確にします。そのデータに基づき、十分に活用されていない機能の認知度を高めるために、ガイドを作成・改善したり、操作ミスが多い箇所をユーザーフレンドリーに設計し直したりすることで、全体の使用効率を飛躍的に向上させることができます。
また、アプリケーションのUIを改善し、その結果利用者が直感的にアプリを使いこなすことが可能になります。これにより、システム全体の効果を最大限に引き出し、組織のデジタルトランスフォーメーションを成功に導く重要な役割をPendoは果たします。
アンケート機能などを通じ使いやすさが向上
Pendoでは、アンケートなどを通じたフィードバック機能を含む多岐にわたる分析ツールが提供されています。この機能を活用することで、システムを利用するユーザーの不満や要望を収集し、具体的な改善につなげることが可能です。例えば、ある機能の操作が複雑で利用率が低い場合、アンケート結果をもとにボタン配置を見直したり、不要な手順を削減したりすることで、直感的に使える設計へと改善できます。こうした継続的な改良により、最終的にはユーザーにとってより使いやすいプロダクトが実現されます。
システム定着化のコストを削減
新しいシステムを導入した際、多くの企業が直面するのが「教育コスト」の問題です。特に、システムが複雑になればなるほど、導入初期のトレーニングにかかる時間と労力は膨大になります。従来の方法では、マニュアルを作成して担当者が個別に説明を行うなど、人手をかけた対応が必要でした。しかし、Pendoを活用すれば、こうした負担を大幅に軽減できます。
Pendoでは、システムの画面上にユーザーガイドを直接表示できるため、マニュアルを参照しなくても、必要なタイミングで必要な情報をシステムを利用するユーザーに提供できます。定期的にユーザーをサポートするための施策を打ち出すことで教育の効率化が図られ、トレーニングにかかる時間や人的リソースを削減できます。
問い合わせ対応・ユーザーガイド更新のコストを削減
システム導入後には、操作に関するユーザーからの問い合わせ対応が発生しやすくなります。しかし、Pendoを導入することで、こうした問い合わせ件数を削減することが可能です。Pendoのガイド表示機能を活用すれば、システムの操作方法や活用事例を適切なタイミングで提示できるため、ユーザーは疑問を素早く解決できます。その結果、社内のヘルプデスクやIT部門の負担が軽減され、人的コストの削減につながります。
エンジニアのサポートは最低限で使用可能
Pendoは、エンジニアの経験がなくても分析対象の指定やガイドの作成が可能なノーコードプラットフォームを提供しています。このため、日常的な操作では専門的な技術サポートを必要とせず、誰でも簡単にPendoを活用できます。ただし、より複雑な問題や特定のカスタマイズが必要な場合には、エンジニアの支援が求められることもあります。Pendoは、基本的な機能は誰にでも使いやすく設計されていながらも、必要に応じて高度なカスタマイズや分析が可能であり、幅広いユーザーに適したツールとなっています。
まとめ
Pendoを導入することで、システムの活用度を高め、定着化を促進し、運用コストを削減できます。特に、ユーザー行動の分析をもとに最適なガイドを提供できる点や、問い合わせ対応の負担を軽減できる点が大きなメリットです。また、ノーコードで運用できるため、エンジニアがいなくても効果的に活用できる点も魅力です。
システム導入の効果を最大限に引き出し、業務の効率化を図るためにも、Pendoの導入を検討してみてはいかがでしょうか。Pendoに関する詳しい情報や導入のご相談は、ぜひCTCまでお問い合わせください。
- カテゴリ:
- デジタルビジネス全般