大切な文書がどこに保管されているのかわからない状態では、必要なときスムーズに取り出せず業務効率を低下させてしまいます。このような課題は、文書管理システムの導入で解決可能です。
本記事では、クラウド型文書管理システムの選び方や利用するメリットなどについて、詳しく解説しましょう。
なぜ文書管理システムが必要か
事業を営む企業は、さまざまな種類の文書を扱っています。近年は、文書を電子化しデータで保存する企業も増えていますが、あまりにも種類が多いため「どこにあるのかわからない」「必要なときすぐ取り出せない」といった課題に直面するケースが少なくありません。
文書管理システムを導入すれば、これらの課題を解決できます。必要な文書をスムーズに見つけられるため、業務効率化につながり、機会損失も回避できるでしょう。適切に文書を保護できる環境のもと管理を行うため、情報漏えいや改ざん、紛失などのリスクも軽減できます。
クラウドで文書管理を行うメリット
近年、主流となりつつあるのが、クラウドによる文書管理です。クラウドで文書管理を行うメリットとしては、多種多様なデバイスでデータへアクセスできることが挙げられます。
パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレット端末などでもアクセスできるため、オフィス以外からもデータの編集、閲覧が可能です。テレワークを導入しているケースでも、社員は自宅や図書館、電車での移動中など、社内外を問わずに情報へアクセスできるメリットがあります。
管理コストを大幅に削減できるのも魅力です。クラウドであれば導入がたやすく、自社にサーバーやシステムを構築する必要がありません。導入費用を大幅に抑えられ、なおかつメンテナンス、アップデートもベンダーが対応するため、自社のリソースを割く必要がなくなるのです。
データやファイルの共有も容易です。複数ユーザーが同時にデータへアクセスできるため、速やかに情報を共有でき、業務の効率化につながります。従来のように、データをメールで個々の社員へ送信し共有する、といった手間も削減できます。
クラウドで文書管理をする際の注意点
クラウドによる文書管理はメリットが多く、業務効率化や生産性の向上が期待できるのは間違いありません。ただ、システムを導入する以前に、やるべきことがあるので覚えておきましょう。
まず取り組むべきは、社員への指導、教育です。優れたシステムを導入しても、現場の社員が使いこなせなくては意味がありません。きちんと使いこなし、業務に活用できるよう教育を実施しましょう。必要に応じて、マニュアルの整備や研修の実施を検討するとよいかもしれません。
新システムの導入にあたり、データ管理の運用ルールも見直しましょう。文書管理システムを用いた管理は、従来の手法とはさまざまな部分が異なるため、運用ルールの見直しは必須です。また、運用を始めたあとも、定期的な見直しが求められます。
クラウドの文書管理システムは、複数のユーザーが同時にアクセスできる魅力がありますが、それゆえに適切なアクセス権限の付与が必要です。内部からの情報漏えいを防ぐためにも、アクセス権限を見直しましょう。
最適な文書管理システムを選ぶ方法
現在、クラウド型の文書管理システムはいくつもリリースされています。システムにより、実装されている機能や特徴、費用などが異なるため、さまざまな部分を比較しつつ選ばなくてはなりません。ここでは、自社にマッチしたシステムの選び方をお伝えしましょう。
文書管理システムの主な機能
そもそも、文書管理システムにどのような機能が実装されているのかわからない、といった方もいるでしょう。多くのシステムには、データをスピーディーに探し出す検索機能をはじめ、バージョン管理機能も備わっています。また、マルチデバイス対応のシステムが多くを占めています。
高度なセキュリティ機能を備えているシステムも少なくありません。クラウドシステムの場合、デバイスや場所を問わずにアクセスが集まるため、堅牢なセキュリティ環境が求められます。具体的にどのようなセキュリティ環境を整えているのか、確認しましょう。
保管期間や更新日などの管理ができる機能も一般的です。いつから保管しているのか、直近で更新したのはいつなのか、といった情報を素早く確認できます。
さらに、ワークフロー機能が実装されていれば、データアップロードに併せてメールで通知する、情報を共有するなど業務の自動化が可能です。
自社の状況や目的を把握しよう
そもそも、なぜ文書管理システムを導入しようと考えているのか、目的を明確にしましょう。目的によって、必要な機能が変わるからです。自社の状況や目的を把握し、それを実現できる機能を実装したシステムを選びましょう。
社員のパソコンスキルが乏しいと、高機能なシステムを導入しても活用しきれません。導入後に教育を進める方法もありますが、運用までに時間がかかるおそれがあります。事前にスキルをチェックし、課題がありそうなら、操作が簡単なシステムを選ぶとよいでしょう。
すべてのシステムが、マルチデバイスに対応しているわけではないため、利用する端末の種類や数も把握しなくてはいけません。さまざまなデバイスでアクセスする可能性があるのなら、マルチデバイス対応のシステムを選んでおけば安心です。
アクセス権限の付与やログの取得など、セキュリティ環境もシステムによって異なります。自社が求めるセキュリティレベルを満たしているかどうか、きちんと確認をしましょう。
【無料/有料】おすすめのクラウド文書管理システム
ここでは、費用別におすすめのクラウド型文書管理システムを紹介します。初期費用が無料のものと、ハイコスト&高機能なものにわけて、それぞれいくつかおすすめをピックアップしました。
初期費用無料のクラウド型文書管理システム3選
ここで紹介するシステムは、どれも初期費用が無料なので、導入コストを抑えられます。ひとつめに紹介するのは、ナレッジの蓄積や共有が可能な社内Wikiツール、「NotePM」です。
社内で扱うさまざまな情報を一元的に管理できるツールです。報告書やマニュアル、社内報などを一ヶ所にまとめられ、情報の閲覧や共有、編集を行えます。強力な検索機能やアクセス制限、ログの取得など機能面も優れています。
次に紹介するのは、企業向けオンラインストレージの「Fleekdrive」です。マルチデバイスに対応しており、多彩な端末から自由に情報へアクセスできます。業務の自動化を実現できるワークフロー機能が実装されているほか、導入前から相談できるきめ細やかなサポート体制も整っています。
3つめは「flouu」です。データ管理ができるのはもちろん、チャット機能も備わっているため、文書を見ながらチームメンバーとやり取りする、といったことが可能です。
ハイコスト・高機能なクラウド型文書管理システム3選
ハイコスト・高機能なシステムとしては、「SPA」「Dispatcher Phoenix」「EIMANAGER」が挙げられます。SPAは、AIやOCRを用いたデータ入力の効率化を実現でき、既存のワークフローとも容易に連携できるのが特徴です。文書の作成から廃棄までの流れを、記録として残せるのも特徴といえるでしょう。
Dispatcher Phoenixは、オフィスの電子化を進め、コスト削減や効率化を実現できるツールです。アナログとデジタル、双方の情報を自動で振り分けてデータ化し、各部門へ送信するといったことが可能です。
EIMANAGERは、文書の一元管理や共有が可能で、操作性に優れているのが特徴です。シンプルな画面なので、初めて利用する方も問題なく運用できるでしょう。優れた検索機能を実装し、高水準なセキュリティも実現しています。
ここで紹介したツールは、コストこそ高いものの、高機能ゆえに大幅な業務効率化、生産性の向上を望めます。EIMANAGERのような操作性にも優れたツールであれば、教育にかける時間も削減でき、スムーズな運用が可能となるでしょう。
まとめ
文書管理システムの導入により、情報へのスムーズなアクセスが可能となり、迅速な情報共有も実現します。管理コスト削減や業務効率化、生産性向上など、さまざまなメリットが得られるため、この機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。システムの導入にあたっては、注意点もあるため、本記事を参考に進めてみるとよいでしょう。
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