前半では、経済産業省のDXレポート 2.2で指摘されている日本のDX推進について検証し、その課題と成功に向けた取り組みについて、CTCでDX Pit-Inを推進するメンバーによる活発な意見が交わされました。後半では、DX推進に向けたアセスメントとプランニングの重要性を中心に、2周目のDXをリスタートさせる企業には、どのようなサービスが求められるのか提言していきます。
登壇者プロフィール
株式会社プロジェクトカンパニー
常務執行役員 埴岡瞬
神戸大学卒業、出版社のDX/新規事業創出を支援するベンチャーに入社、その後ファッション系ECモール企業へ転職し、小売業界におけるグロースハックプロジェクトを多数担当、社内の新規事業立ち上げも担う。2020年にプロジェクトカンパニーへ中途入社後、自動車/小売/商社/不動産など幅広く業界大手企業の新規事業創出/デジタルマーケティング支援を行う。2023年より同社の常務執行役員に就任(現任)。
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
新事業創出・DX推進グループ DXビジネス推進事業部 DXコンサルチーム
シニアエグゼクティブエンジニア 亀田 積
10年以上IT業界でアプリケーション開発を中心にIT全般に従事した後、2000年に入社。Webアプリケーション開発支援やSOA推進、開発技術全般の社内標準化を担当。2009年から流通、エンタープライズシステム事業を経て、アジャイル開発推進、新規事業に関連するサービス開発を推進。2022年から現職
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
エンタープライズ事業グループ デジタルビジネス推進第1部 DX・モデルシフト推進課
エキスパートエンジニア 菰田 哲也
2007年、中途入社。エンタープライズ企業のシステム企画・構想、自社ソリューションの企画に従事。その後、お客様の情報システム部門への出向や、社内の新規事業創出プログラムの企画・運営、コーポレートベンチャーキャピタルの企画・運営の経験を経て、2021年より現職。経済産業大臣登録 中小企業診断士。
DXの現状と課題を見出すアセスメントサービスの重要性
滝澤氏
新規の取り組みにおいても、あるいは2周目のリスタートを切るDX推進でも、お客様企業がどのようなサービス開発や付加価値の創造に取り組むべきかを見極めるためには、現状を正確に把握して分析するアセスメントが重要だと思います。しかし、なかなか成果を出しているケースは少ないと受け止めていますが、これまでのアセスメントには、何か課題があるのでしょうか。
亀田氏
コンサルティングファームが主体のアセスメントサービスでは、ある程度の体制を組んで活動するケースが多く、単なる分析に終わらずに、システムの実装や運用まで一気通貫に請け負うケースも多いかと思います。レガシーシステムであれば、そうした大船団方式の開発も必要だったのかも知れませんが、攻めのDX推進を考えていくうえでは、コンサルタントやシステムベンダー側の理論ではなく、お客様企業の推進状況やタイミング毎にマッチするアセスメントとプランニングが必要になります。
埴岡氏
DX推進は、単なるシステム開発だけでは成功しません。システムの実装や運用をゴールとしている従来のアセスメントサービスでは、事業戦略レイヤーの施策や、組織の再編に、お客様企業側の人材育成なども求められる点に気づきにくかったのが問題です。システム開発においても、単に発注側と受注側という関係ではなく、ベンダーとの新しい協力関係が求められています。アセスメントサービスが、受発注を超えた、新しい共創関係への意識転換に上手く導けていないケースを、これまで見てきました。
人材育成や共創などが本当は必要なのに「これまでのアセスメントの問題点」の影響によりうまく解決できていないと受け止めています。
亀田氏
その共創関係を築くためには、システムインテグレーターも意識や価値観を変革していく必要があると、社内でも議論しています。お客様企業が求める価値や成果を提供しつつ、我々もプロジェクトに参画するインセンティブが得られるようなジョイントベンチャーなど、伴走者のような開発体制が求められているのかもしれません。
DX推進に求められるアセスメント選びのポイント
滝澤氏
お客様との共創関係が築けるDX推進が求められているのだと思いますが、そのためには、従来からのアセスメントサービスには、限界があるようです。そうなると、これからのDX推進に求められるアセスメントには、どのようなサービスが求められるのでしょうか。
埴岡氏
経営レイヤーとの会話だけではなく、事業戦略レイヤーとの会話が重要になります。経営層が求めるアセスメントとなると、DXが進んでいるかどうかの判断にとどまってしまいがちです。確実にDXを推進していくためには、事業を担っている部隊と戦略や改善策について、しっかりディスカッションできるアセスメントが効果を発揮すると思います。
亀田氏
もう一つ重要なのが、ニュートラルな立場でアセスメントが行われるかです。コンサルタントによる理想論や絵空事ではなく、システムインテグレーターが中立的な立場で、技術的な実証や裏付けに基づいて、導入するべきシステムや実現できるサービスを提示するべきでしょう。CTCのDX Pit-Inは、そういう考えからDXのリスタートを支援するアセスメント&プランニングサービスとして誕生しました。
DX Pit-Inの利用メリットと次の一手
滝澤氏
DX Pit-Inは、これまでのアセスメントやプランニングと比べて、どのようなメリットがあるのでしょうか。
亀田氏
DXに特化している点と、特定のソリューションにめがけて強いアクセルを踏むような偏ったアセスメントではなく、中立的な分析が特徴です。また、とてもコンパクトなアセスメントになっているので、価格も安く、短期間で結果が得られます。DX推進も2周目や3周目を迎えて、次の一手をどう打つべきか考えているお客様企業にとって、使い勝手のいいアセスメント&プランニングサービスだと思います。
埴岡氏
DX Pit-Inは、戦略ありきのアセスメントを最短で提供するコンサルティングサービスをパッケージ化したものです。お客様にはそのメリットを、効果的に活用していただきたいと思います。
滝澤氏
お客様がDX推進やリスタートで課題を抱えている中で、アセスメントとプランニングだけでは解決できないと思いますが、DX Pit-Inを利用された後には、どのような取り組みが必要になるのでしょうか。
菰田氏
DX Pit-Inのアセスメントによって導き出された結果を具体的な取り組みに落としてスムーズに実行に移していくフェーズも、CTCでは用意しています。先ほど新しい共創関係というお話もありましたが、CTCの伴走支援サービスでは、勉強会を通じた情報提供やパートナーと協業してのアイディエーション支援、ITシステムとしてのデザイン・実装などを通じて、お客様が直面するハードルを伴走者として一緒に超えていきます。
亀田氏
DX Pit-Inでは、戦略立案のために必要な要素までを提供します。そこから先の実行計画やプロジェクト組成に関わる体制の整備などは、次のフェーズとして、改めてCTCにお声をかけてもらえたら幸いです。
※部署名、役職名、その他データは公開当時のものです。
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