DXや働き方改革などを推進するために、業務やサービスのデジタル化に取り組んでいるという企業は多いでしょう。その一方で、DX推進に向けたデジタル化が本当にできているのか、手探り状態の人も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、企業ができるデジタル化の例とそれぞれの分野で活用できるITツールを紹介します。
企業がデジタル化に取り組むメリット
すでに多くの企業が取り組んでいるデジタル化ですが、改めてデジタル化によるメリットを確認しましょう。
業務やサービスの改善
現在、多くの企業がデジタル化に取り組んでいるのは、デジタル技術によって業務やサービスの改善効果が期待できるからです。
これまでアナログで行っていた業務をデジタルに置き換えることで、業務の効率化や自動化を促進できます。それにより、従来よりも少ない人数・時間・労力で業務を行えるようになるため、従業員の負担軽減や生産性の向上、人件費の削減などを図ることが可能です。
日々デジタル技術は進化しており、デジタル化できる範囲は増え続けています。すでに多くの分野でデジタル化に取り組んでいる企業であっても、今後デジタル化していける余地はまだまだあるでしょう。
社会的な変化への対応
企業がデジタル化に取り組むことは、現在の急激な社会的変動に対応する上でも重要です。
例えば、新型コロナウイルス感染症(Covid-19)の流行によって急激に普及したテレワークは、多様な働き方のひとつとして多くの労働者から歓迎されていることが実態調査から明らかになっています。
(参照元:『エン転職』1万人アンケート(2022年4月) 「コロナ禍のテレワーク」実態調査)
テレワークは一時的な非常事態対応ではなく、いまや求職者にとって就職先選びの判断基準にまるまで定着しました。また、テレワークやクラウド化は、自然災害などで通常通り出勤できない場合のBCP対策としても有望視されており、今後ますます活用が期待されています。
ペーパーレス化への対応も、2022年に電子帳簿保存法の改正によって電子取引記録の電子保存が義務化されるようになったことや、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みの一環として求められるようになったことで進んでいます。法的な義務か否かの違いはあれど、これらの課題への対応はCSR(企業の社会的責任)の観点においても重要です。このように、企業のデジタル化は時代の要請に応える意味においても必須になりつつあります。
昨今でも重要視されているDXにおいても、デジタル化は重要です。DXは単なるデジタル化ではありませんが、あらゆる分野においてデジタル技術を取り入れることが、企業変革の第一歩となります。
企業ができるデジタル化の例
続いては、具体的にどのような業務を対象として、どのようにデジタル化していけばよいのか、いくつかの例をピックアップして紹介します。
コミュニケーション
チャットツールやWeb会議システムといったコミュニケーションツールはすでに導入している企業も多いでしょう。メタバースを活用したバーチャルオフィスなどの導入もDX時代のコミュニケーション活性化に有用です。
契約業務
契約業務もデジタル化の対象になりえます。多くの企業が取り入れた電子契約サービスの導入による移動・郵送の手間やコストの削減、ペーパーレス化などの効果などはデジタル化による大きなメリットでしょう。他にもAIによって契約審査を行うツールなども登場しています。
申請業務
社内稟議をはじめとする各種申請に関わる業務においても、ワークフローシステムを導入することでデジタル化への移行が実現します。紙の書類を用いて申請・承認・決裁などのプロセスを踏む場合、書類の破損・紛失・盗難などのリスクや、データの入出力の手間、承認者や決裁者が出張時やテレワーク時に申請プロセスが停滞してしまうなどのデメリットが生じます。ワークフローシステムを導入することで、これらのデメリットを解消し、申請プロセスの迅速化や可視化が可能です。
事務作業
RPAによる事務作業の自動化は、デジタル化による業務効率化の代表例でしょう。RPAとは単純な定型作業を自動化するITツールのことです。RPAを活用することで、データの収集や入力をはじめとした事務作業を自動化し、ヒューマンエラーや作業者の負担を減らしつつ業務効率化を実現できます。
顧客管理
CRM(顧客管理)、SFA(営業支援)など、営業における顧客管理を支援するツールも、デジタル化のためにはぜひ導入をしたいツールです。これらのツールはただ単純に業務効率化が図れるだけではなく、あらゆる場所から顧客情報を確認できたり、部署間での情報共有を容易にしたりします。これらはテレワーク時や社内端末が接続できなくなるなど不慮の事態があった際にも、迅速かつ柔軟な対応ができることを意味します。それは営業活動の成功にも繋がるので、ただのデジタル化だけでなく、ビジネスの成長にも寄与するといえます。
デジタル化はDXの第一歩
DXとは、デジタル化を通じ、ビジネスモデルや企業の文化、風土を変革させることを指します。デジタル技術は日々発展をしており、現在最新鋭のツールも、数年後にはレガシーシステムになっているかもしれません。
激しく変化するデジタル環境の中で、既存のビジネスの発展や、新規ビジネスの創出に繋がりそうなものがあれば、積極的にデジタル化とその更新を行っていきましょう。
そうしたデジタル化はDXにおける、ビジネスモデルなどの変革に繋がっていきます。
まとめ
企業がデジタル化に取り組むことは、顧客や従業員のニーズに応えるためのほか、業務効率化やサービスの改善などを通して長期的に企業価値を高めていくためにも重要です。加えて、DX化の推進のためにも、デジタル化は欠かせません。
本記事で紹介した例は、デジタル化によって得られることの一部にすぎません。業種や業界ごとの特性に最適化されたツールも数多く存在するため、自社の業務や商品・サービスの性質、課題などに応じたソリューションを見極めることが重要です。
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