Slackの連携とは?
必要性やメリット、外部連携させる方法について解説

 2024.03.07  2024.11.05

Slackはコミュニケーションツールとして多くのビジネスシーンで利用されており、外部連携機能を活用することで利便性向上や業務効率化につなげられます。この記事では、Slackの外部連携について、そのメリットや方法、注意点などについて解説します。Slackでの情報一元化や業務効率化するためのヒントが得られます。

Slackの連携とは? 必要性やメリット、外部連携させる方法について解説

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Slack(スラック)の基本機能

Slackでは、主に以下のような機能が利用できます。

  • メッセージの送受信、メンション、引用、絵文字リアクション
  • チャンネル作成(グループチャット)
  • ダイレクトメッセージ
  • ハドルミーティング(ビデオ通話、音声通話、画面共有)
  • 検索
  • ファイル共有
  • リンク共有
  • リマインダー設定
  • 通知設定
  • 外部ツール連携

上記以外にも様々な機能が搭載されています。これらの機能を活用することで、社内コミュニケーションの効率化につなげられます。また、社内業務に必要な情報の整理や検索にも役立つツールです。

外部ツールとの連携に対応している点も大きな特長です。連携機能の活用によって、さらなる業務効率化を図れます。

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Slackで連携できるツールの一部

Slackに搭載されている外部連携機能の最大の特長は、2,600以上もの膨大なツール数と連携可能である点です。連携できるツールには以下のようなものが挙げられます。

  • Google Drive
  • Outlook
  • Zoom
  • Dropbox
  • Asana
  • Notion
  • Canva
  • HubSpot
  • Microsoft Teams
  • Zendesk

参照元:Slack と連携させるべきリアルタイムのコラボレーションツール | Slack

上に挙げたツールはごく一部です。他にもアナリティクスやカスタマーサポート、ファイル管理、コミュニケーション、マーケティング、ファイナンス、プロジェクト管理(タスク管理)など様々な種類のツールと連携できます。

Slackを連携させるメリット

外部ツールと連携させることで、社内コミュニケーションや情報共有、業務遂行においてさらなる効率化が見込めます。

情報を一元管理できる

Slackは情報管理システムとしても活用できます。社内ではSlackを使い、外部とは別のツールを用いるようなケースでは、情報が分散して見落としが起きかねません。そのような事態を防ぐには、Slackの外部連携機能で複数のツールを一元管理する方法が有効です。

また、Slackをクラウドストレージやスケジューラーと連携させて、社内プロジェクトの管理ツールとして機能させることも可能です。情報を1ヵ所にまとめることによって、重要な情報の見落としやヒューマンエラーの減少、リアルタイムな情報確認・共有、業務の効率向上などが期待できます。

他に、Slackをノウハウ蓄積と情報共有の場として活用し、チームの連携力を向上させる使い方もあります。顧客へのメッセージ配信や気軽なやり取りをする場として活用することで、顧客満足度の向上にもつなげられます。

Slack単体では不足している機能を連携によって補える

Slackの本来の用途はビジネスチャットツールであるため、単体では十分な機能が利用できない場合があります。その場合、外部ツールと連携させて必要な機能を補強することが可能です。外部連携によるカスタマイズで、Slackを自社のニーズに合わせた情報共有プラットフォームにパワーアップできます。

Slackは多くの外部ツールとの連携に対応しており、様々な用途にカスタマイズ可能です。例えば、APIやSlackAppを利用してChatGPTと連携できます。他にも、文章やスレッドの要約、文章作成の支援・レビュー、ワークフローへの組み込み、専門知識の調査や質問、外国語のメッセージの翻訳など、多種多様なツールを活用できます。

タスク管理ツールと連携させれば、Slack上でタスク管理作業の一元化も可能です。カスタマーサポートツールと連携することで、Slack上に通知を集約させられます。多くのツールとの連携により、Slackを業務効率化に貢献する多機能ツールにカスタマイズできます。

業務効率が向上する

業務や部署ごとに使用するツールが異なっている場合、業務効率が下がります。例えばミーティングにZoomを使い、Asanaでタスクを管理して、Boxをファイル共有のために使っているような状況です。このように複数のツールを使用していると、情報の分散や操作の煩雑化といった事態が起こるため、効率が低下します。

複数のツールとSlackを連携してまとめれば、画面を切り替える手間を省くことが可能です。Slack上で操作を完結させられるため、ツールが分散している状態よりも業務効率が向上します。

また、2023年に追加されたSlack canvasの活用によって、Slack上のメッセージやワークフローの情報を整理しやすくなります。canvasは議事録の作成・共有、重要な情報の整理、新入社員のオンボーディングなどに役立つ機能です。Dropboxなどのリンクの埋め込みやFigmaのデータ表示などにも対応します。

ワークフローを作成できる

Slackには、定型的なタスクをSlack上で自動化できるワークフロービルダーが搭載されています。コーディング不要のため、誰でも簡単に作業を自動化でき、IT部門の負担軽減につながります。ワークフロービルダーには各種テンプレートが用意されており、手軽にワークフローの構築が可能です。外部ツールを組み込むこともできます。

ワークフロービルダーで自動化できる業務として以下の例が挙げられます。

  • Zoomでの通話スケジュール設定
  • 申請業務プロセス
  • フォーム回答の送信(アンケートや質問、ステータス更新など)
  • リマインダーの送信(進捗共有や休憩時間などの通知)

コネクタ機能によってサードパーティツール起点のワークフローを組むことも可能です。上記以外にもアイデア次第で様々な業務を自動化できます。

さらに、生成AI機能であるSlack-GPTのベータテストを経て、2024年2月には「Slack AI」が発表されました。Slack AIでは、AIによる一定期間分のスレッド要約、Slackで蓄積したナレッジベースの活用、生成AIを組み込んだ高度なワークフローの作成などが可能です。なお、現時点では英語でのみ利用でき、日本語を含む多言語への対応は4月を予定しています。

Slackを外部連携させる方法

Slackと外部機能を連携させるには、Appディレクトリ・Slack API連携・テンプレートを用います。手軽な方法としてはAppディレクトリやテンプレートがあり、独自のシステムやアプリと連携したい場合はAPI連携が適しています。

Appディレクトリ

Appディレクトリは最もポピュラーな連携方法です。Appディレクトリから連携を行う手順は以下の通りです(デスクトップ版の場合)。

  1. その他メニューから自動化をクリック
  2. アプリ名を検索して追加をクリック、Appディレクトリに移動
  3. Slackに追加をクリックしてアプリをインストールすれば連携完了

なお、連携するアプリによってはアカウント認証が必要な場合がありますが、画面の指示に従って操作することで簡単に設定できます。初期設定では、メンバー全員がアプリをインストールできる状態です。設定を変更することで、アプリをインストールする前に管理者への承認を要求できます。承認の設定を有効にした場合、メンバーはアプリのインストール時に管理者に対してダイレクトメッセージでリクエストを送る必要があります。

関連ページ: Slack App Directory|Slack

Slack API連携

Slack APIを利用することで、自社独自のアプリやツール、システムを使用している場合でもSlackと連携できるようになります。また、社外向けのアプリを開発するケースにも有用です。Appディレクトリを使用する方法と比較して、他社サービスとの連携が中心という点で違いがあります。

Slack APIは、大規模な開発だけでなく、SlackとGoogleのスプレッドシートを連携させるようなシンプルな用途にも適しています。設定したトリガーの発動時に、スプレッドシートに記述した情報をSlackへ自動投稿する、といったワークフローを構築することが可能です。Slack APIには豊富なメソッドが用意されており、それらを呼び出すことでSlack内のメッセージ投稿やファイル送信など様々な操作が行えます。

なお、以前はカスタムインテグレーションという機能を実装していました。現在ではレガシーツールとして非推奨の扱いとなっており、今後削除される可能性があるため、使用はおすすめできません。

Slack APIについては以下のURLからドキュメントを参照できます。

関連記事:Slack API|Slack

テンプレート

Slackでワークフローを作成する場合、手動での作成とテンプレートを連携させる方法があります。テンプレートはSlackが公開しているものと、サードパーティが作成したものとがあります。

テンプレートを利用する手順は、まず下記のテンプレートを公開しているページを開きます。

関連記事:Workflow examples|Slack

公開されているテンプレートの中から使用したいものを選択し、JSONファイルをダウンロードしましょう。次に、Slackのワークフローメニューでインポートをクリックし、ダウンロードしたJSONファイルをインポートします。これで、手動で作成することなく、テンプレートからワークフローを利用できます。

Slackで公開されているテンプレートには、以下のようなものがあります。

紹介したもの以外にも様々なテンプレートが用意されています。

Slackと外部ツールを連携させる際の注意点

外部連携機能は業務の効率化に寄与しますが、一方で外部ツールに依存するがゆえのトラブルも起こり得ます。ここからは連携機能を使用するに当たって押さえておきたい注意点を解説します。

自社に必要なツールを見極める

アプリを次々に追加すると、利用優先度の高いツールが埋もれて見つけにくくなります。そうなると、Slackでツールを一元管理していても、通知の見落としや業務効率の低下といった事態につながる可能性があります。

外部ツールと効果的に連携するポイントは、課題解消や業務効率化につながるツールを優先することです。例えば、TrelloやAsanaなどのタスク管理ツールやプロジェクト管理ツールを業務で使用している場合、未連携のままだとツール画面を切り替えて確認する手間が発生します。外部連携することによってタスクの情報や通知をSlack上で確認できるため、優先的に連携すれば作業効率が高まると考えられます。

社内の意見を収集する際に時間がかかる問題を解決したい場合は、アンケートを作成できるPollyが便利ですです。このように、解決したい課題を洗い出した上で、必要なツールと連携するようにしましょう。

ツールによって連携方法が異なる

各ツールによって連携方法が異なる点にも注意が必要です。連携したいツールがある場合、基本的にはAppディレクトリから追加するだけで対応できます。しかし、ツールによってはAppディレクトリからの連携に対応していない場合もあります。そういったケースでは、外部ツールのWebサイトからSlackアカウントでログインして連携するか、Webhook機能を利用しなければなりません。

前者の方法では、Slackアカウントを利用したシングルサインオンが可能になり、新規登録や複数のアカウントを管理する手間が省けます。またWebhook機能は、着信用または発信用のURLを利用して、Slackと外部サービス間でメッセージの送受信を行うための仕組みです。このように、サービスによって連携する手順が異なることがある点には注意しなければなりません。

連携先のサービス内容に依存する

Slack APIを使用することで外部ツールの拡張を柔軟に行える一方で、連携先の仕様に依存するという注意点があります。Slack自体に問題がなくても、外部ツールの仕様変更やシステム障害による悪影響を受ける可能性を考慮しなければなりません。

例えば、連携したツールが仕様変更される度に、それに対応する手間が発生する可能性があります。また、外部ツール側で障害が発生すると、連携に失敗することもあります。そうなると、自社で対応できることはありません。復旧するまで外部ツールの利用ができないため、業務に支障が出る場合があります。そもそも外部ツールの提供自体が停止した場合は連携が不可能になるため、代替手段の検討が必要です。

このようなトラブルに備えて、事前にBCPを策定しておくことが重要です。外部ツールの連携は永続的なものではなく、提供元に依存する点も理解した上で利用しましょう。

APIに費用がかかる場合がある

APIは無料で利用できるものと有料のものがあります。現時点では無料で提供されていたとしても、将来的に有料に変わるケースもあります。最近ではX(旧Twitter)がAPIを有料化しました。APIを利用して外部連携する場合は、将来的な改定や利用プランの変更も考慮する必要があります。

APIの利用にかかる費用や支払い方法は、サービス提供者によって異なります。Xの例を挙げると、無料プランやEnterprise向けなど複数のプランが用意されており、それぞれ月額料金や投稿上限数などが異なります。

また、仕様変更によって外部ツールとのAPI連携が困難になることもあります。Slack APIが将来的に有料提供へと変更される可能性がゼロではない点も考慮しておきましょう。

セキュリティ対策をより厳重に行う必要がある

外部ツールと連携する際はセキュリティ対策が不可欠です。例えばAPIで外部連携した場合、セキュリティ対策が甘いと脆弱性を突かれて不正アクセスや情報漏洩が発生する恐れがあります。

API連携では、APIの設計ミスや不具合によるセキュリティホールがサイバー攻撃の標的となります。それらの対策には、OAuth 2.0やSOAP、RESTなどのプロトコルが利用されています。

クラウド型のツールと連携する場合でもセキュリティ対策は必要です。対策として、CASB(キャスビー:Cloud Access Security Broker)の導入が挙げられます。これは、クラウドサービスの利用状況の可視化や監視、セキュリティポリシーに沿ったアクセス管理、データの暗号化、アクセス権限の設定、マルウェア対策ができる脅威防御のソリューションです。

まとめ

Slackは様々な外部ツールと連携できます。外部連携機能を利用すれば、業務ツールの情報を一元管理したり、足りない機能を補ったりすることが可能です。Slack上のワークフローに外部ツールを組み込んで自動化することによって、業務効率化も図れます。

外部連携する場合はAppディレクトリ、Slack API、テンプレートを利用します。いずれの方法でも、自社の状況に適した連携方法を選択し、優先度の高い外部ツールと連携することが重要です。セキュリティリスクや外部ツールに依存することの影響にも注意した上で、有効に利用しましょう。

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