最近、さまざまな業界でパノラマツアーが活用されています。新型コロナ感染拡大防止のため人の移動制限がされている昨今、不動産業界では内見を実際の場所に行かずパノラマツアーで実施することが出来たり、旅行業界ではパノラマツアーで仮想旅行を体験できるサービスを展開したり、またショールームを持っている様々な業界では、パノラマツアーでショールーム内を自由に歩くことが出来、商品の説明もポップアップで説明したり、各業界で色々な工夫がされています。この近年で身近なサービスになってきているのではないでしょうか。
では、パノラマツアーの活用を始めてみたいが「どのソフトを使ったらよいのか」「ネットの知識がないけど簡単に出来るのか」「どんな活用事例があるのか」など、不安があるかと思います。今回はおすすめのサービス「vrTours3d」について紹介します。
この記事を読み終わる頃には不安も消え、導入してみようという気持ちになるのではないでしょうか。
パノラマツアーを簡単に作れるクラウドサービス「vrTours3d」
パノラマ写真は手元にあるスマートフォンで撮影する機能があるので撮影方法も分かりますし、より身近だとは思いますが、パノラマツアーを作ると聞くと、撮影するだけではなく撮影した画像を組み合わせて自由に歩ける空間を作るので、難しいイメージがあるかもしれません。
ただ、今回ご紹介する「vrTours3d」はRICOH THETA(以下、THETA)※1のような全天球カメラを各部屋で撮影した画像をクラウドにアップロードすると、画像をAIで解析し、2Dや3Dの間取りデータを自動的に作成することが出来ます。複数の部屋を個別にパノラマ撮影することにより、お互いの位置関係を自動認識し、建物全体の3Dマップを構築することが可能です。
※1 THETA:上下左右、360°ぐるっと全て見えるものを1枚の写真に残せます。写真を撮る時に構図を気にせず、シャッターボタンを1回押すだけで記録可能なカメラです。
vrTours3dの一例
主な機能5つ
機能1. 簡単撮影
撮影方法も簡単で、THETAのような全天球カメラ・三脚・スマホの3点セットを用意し、アプリの指示に従って各部屋をパノラマ撮影するだけです。初めて撮影するときは、上手に撮影できるか不安かもしれませんが1度経験すれば、次はスムーズに撮影できると思います。もし不安であれば撮影代行という選択肢もあると思います。
業務の中でパソコンをあまり使わない方でも、撮影方法を一度レクチャー受けただけで次の撮影からは、ご自身一人で撮影を行うことが出来ていました。実際に私もカメラで撮影し、パノラマツアーを作ったことはありますが、3LDK程度の間取であれば30分もかからず撮影を行うことが出来ました。クラウドにアップロードし、数日後には自動的に2Dや3Dの空間が出来上がります。簡単な操作で空間が3D化されることに感動した記憶があります。
機能2. VR機能
出来上がった空間はマルチブラウザで見ることが出来、スマートフォンで見るときにVR用ゴーグルを使うことでより没入感を味わいツアーを体験することが出来ます。VR用ゴーグルは100円均一ショップでも手に入りますので、販売促進品としてお客様に配るのも良いかもしれませんね。
機能3. アンカーポイント
パノラマ画像内の任意の場所に、テキスト、画像、動画、URL情報をアンカーポイントして貼付できます。
機能4. 計測機能
写真から自動測定し、画像上に寸法が表示されます。またオプション機能を付加することで、画像の中の任意の場所を測定する事が可能になります。
奥行計測
2点間距離測定
機能5. 3Dシミュレーションへの連携
vrTours3dからデータを出力し、3Dシミュレーションプラットフォーム「3D Room Designer」にデータを取り込むことで、間取りをCGで再現することが出来ます。
パノラマツアーを活用した導入事例4つ
事例1. 不動産仲介業者
現地訪問前の不動産紹介の目的で活用しています。図面の存在しない建物の間取り情報を作成することで、図面の知識のある人が図面を作成する必要もありません。また360度画像なので、撮り忘れて再撮影という機会が減り工数削減にもなります。
お客様は不動産会社のホームページでいつでもどこでもお部屋の中を自由に見学でき、気になる部屋をチェックする事が出来ます。
事例2. 小売業
スーパーマーケットでの売場や生鮮品加工に関する社員教育で活用しています。
事例3. 鉄道会社
自社施設の管理業務に活用しています。写真では見えない部分の工事部が管理するような情報をアンカーポイントして画像やテキスト情報を埋め込むことで、ビジュアルで管理することで熟練した技術者ではなくても理解しやすく確認することが出来ています。
事例4. 医療機器販売業者
医療機器に関する各種資料(マニュアル等)を画像上で管理します。
まとめ
vrTours 3dは誰でも使うことが出来るサービスです。撮影したパノラマ画像をクラウド上にアップロードするだけで、AIで解析されパノラマツアーが自動で作成される事が分かりましたね。
不動産業界では360度画像で部屋を撮影するのはスタンダードになってきていると思います。さらに他と差別化するために、このようなソフトを使って差別化要素を図るのはいかがでしょうか。
https://www.ctc-g.co.jp/solutions/vividworks/vrtours3d/
<< コラム寄稿 >>
株式会社カトルセ 代表取締役 橋本健太郎
大手住設機器メーカーでのIT企画・開発担当から、住宅業界向けSaaS(3D/EC)の開発・運営経験
- カテゴリ:
- デジタルワークプレイス