クラウド型である3Dシミュレーションツール『3D Room Designer ™』は導入が非常に簡単です。
Azure上の仮想環境にすぐに自社専用環境を立ち上げる事が可能です。一度立ち上げてしまえば後はChromeなどのブラウザアクセスのみで、どこからでも利用可能になります。
B2C向けにシミュレーションや3D提案をしたい場合や、全国の従業員に一気に展開したいといった場合にはクラウド型は非常に有効な手段になります。
3Dコンテンツや、お客様毎のシミュレーション結果がすぐに共有できるのもメリットになります。
またグローバルで数十社が利用しているSaaSの仕組みである為、新しい機能が次々と追加される事があります。今回紹介する基本機能以外にも、今後開発予定の機能や個別の企業がカスタマイズ開発した内容が標準機能に組み込まれる事があるので、今後も追加情報を解説していきたいと思います。
3Dシミュレーションツールの標準的機能について
間取を3Dで表現し、家具・住設機器・照明のコーディネート/シミュレーション
最初に、間取り作成機能がシンプルで知識のない方でも数分で3Dの間取を作成できます。
次に、家具・住設機器・照明等を好きな場所にレイアウトし、カラー変更しながらコーディネートする事ができます。
床やクロスを張り替えるイメージも簡単に試す事ができます。
床の張替えやアクセントクロスなどはなかなか完成イメージをエンドユーザーに伝える事ができませんがこれなら一瞬です。
朝と夜の雰囲気の違いを表現する事も簡単にできます。部屋を暗くして照明での雰囲気作りをうまく表現できます。
マルチデバイスでそれぞれ特徴にあった機能が利用できる
3D Room Designer ™ は、マルチデバイスに対応しており、標準的なパソコン、iPad、iPhoneなどのスマホ、高性能のゲーミングPCそれぞれに特徴的な追加機能が標準的に用意されています。また管理者用の機能は1つに統合されていて、マスターデータは一元管理されます。
iPad、iPhoneではAR機能を利用する事ができるため、営業マンが現地でARプレゼンをすること等に用いられています。
高性能PCとHTC VIVEの環境があれば、VR機能で没入体験をする事ができます。
この環境だと、通常のパソコンやスマホより高画質に表現できるようにデータの解像度やレンダリングの精度を高める処理を追加で行う事ができる為、フォトリアルな環境でプレゼンする事ができます。
作った間取りや空間をスマホでも閲覧できるようにパノラマツアー化し、QRコードやURLメールなどで簡単にエンドユーザーに共有する事ができます。
見積機能、複雑な仕様に対応するコンフィグレーター機能
セミオーダー家具やキッチンなど商品の仕様バリエーションが非常に多い商品の場合、仕様選択によって最終的に価格がいくらになるのか?商品の見た目はどうなるのか?がカタログではわからず、メーカー自身が専用の見積もりシステムを作成している事があります。ですがエンドユーザー向けの価格をすぐに出せるか?というと実際には流通・販売会社を通して販売する為、価格表示は定価のみ対応といったケースがほとんどです。
3D Room Designer ™ ではシステム上で複雑なコンフィグレーターを実装する事ができる為、仕様選択に合わせて、見積もり提示と完成イメージの提示が同時にできます。
他システムとの連携による適用領域の拡大
クラウド型で、データ連携も比較的しやすいシステムとなっており、CSVやXMLなどで他システムとの連携を既に実装しています。今後も連携については様々な開発がされる予定になっています。
AI間取り作成システム【vrTours3D】との連携による間取り入力の自動化
別システムのvrTours3DではThetaなどの360度カメラで簡単に部屋を撮影するだけでAIにより自動採寸し、間取りを自動作成することができます。そのデータを3D Room Designer ™ に連携する事で、実際の部屋と同じ間取りを再現することが可能になります。
写真から現場の状況をリアルに再現し、3D Room Designer ™ でその中を自由にコーディネートしたりレイアウトし直すという事が可能になります。
CTCプレスリリース:
プリンスホテルが運営する会員制リゾートホテルに VividWorks社の「3D間取りデータ自動生成サービス」を提供
販売施設の室内を3Dウォークスルー画像で提供し、オンライン上でリアルな物件体験を提供しています。
プリンスバケーションクラブ3Dツアー
HTC VIVEでの視点解析・アイトラッキング
VR機能で没入体験している時に、利用者が実際にどこをどれくらいの時間見たのか?を解析する事が可能です。これによりどういったデザインがより注目を集めるか?などを何度もシミュレーションする事が可能になります。
応用利用シーン
3D Room Designer ™ のユーザー事例での一部を紹介します。
飲料/生活用品業界
販売前の新製品をVRシミュレーションし、棚割り検討すると共に、パッケージデザインの効果をシミュレーションしデジタル上で何度も試作する事を可能にしました。
CTCプレスリリース:
アサヒグループホールディングスにVividWorks社の3Dビジュアライゼーション環境を提供
装置業界(医療、工作、半導体)
製品と空間の3Dレイアウトシミュレーションを行う事で、実際の利用者の導線検討や効率性を商品購入前に検討する事が可能になりました。
まとめ
3D Room Designer ™ はメーカーがエンドユーザーに対して自社の商品を訴求するだけでなく、製品開発の為のデザイン試作/検討の際や、執務スペースや工場のレイアウト検討など、自社の生産性向上や効率を高める為の使い方も可能です。
ECツールの『WooCommerce』に標準的に組み込める「3D Product Configurator」の提供を開始しています。「3D Product Configurator」を利用することで、自社のECサイトで商品の仕様を選んでもらった時に3Dで商品を紹介し、AR機能で商品を配置することも可能になります。
日々進化を続ける3Dシミュレーションツールの中で、今回は3D Room Designer ™を簡単に解説しました。今後、より詳細な使い方や追加機能の解説など引き続きまとめていきたいと思います。
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