一消費者としてなにか商品購入する際に、3DコンテンツやXR関連システムを元にアウトプットのイメージを詳細に確認する事って身の回りでありますか?
普段生活していてそこまで3Dの存在を感じる事はないかなと思います。
最近アパレルやメガネ店でバーチャル試着できるお店があったりしますが実際に体験できる機会はなかなかないと思います。
一生に一度買うかどうかの住宅購入の際には、大抵購入する家がどんなイメージかCGで3D提案される事が多いです。中には紙の模型でプレゼンしてくれる会社もあると思います。
今だとVRで実際に建てる予定の家を再現して家の中をウォークスルーしたりすることができる場合もあります。
もう少し購入サイクルが短い物で家具・インテリアについても3D・CGの利用が進んでいます。
L 字型のソファーを買って、家に配置してみたら意外に大きくて家が狭くなったみたいな失敗体験ありませんか?大きな買い物(金額的にも、大きさ的にも)をする際にはしっかり検討した方が後悔はなくなりますよね。
今回は家具・インテリアの業界で3Dコンテンツ・XRソリューションを有効活用している企業の事例を紹介します。
特に昨今のコロナ禍でオンライン販売・EC販売を強化して業績を伸ばしている会社が多く、ECサイトと3Dコンテンツの相性の良さもあわせてご紹介したいと思います。
これらを参考に自社の商品販売・ECサイト構築の際に3Dコンテンツの導入を検討してはいかがでしょうか?
3Dコンテンツ・XRソリューションを有効活用しているECサイト6選
ニトリ
インテリア業界でシェアダントツ1位を独走中のニトリは、さすがにECサイトにも様々な角度からユーザーの購買体験を促進する仕組みが配置されています。
3Dコンテンツ・CG・シミュレーションツールといった物をバランスよく活用しています。
バーチャルショールーム
https://www.nitori-net.jp/ec/feature/virtualshowroom/
東京都練馬区成増店の中がバーチャル上で確認できます。これは3Dスキャンカメラ[Matterport(マタポート)など]というツールを使っていて、お店の中を自由に移動でき、採寸ツールで実際の商品のサイズを計測したりする事もできます。
また各商品にはECサイトへのリンクが設定されていて、実際にショールームを見て興味があったものを購入するというリアルに近い体験ができるように設計されています。
さらにニトリでは店頭で3Dプランニング相談も可能で、自宅の間取りに合わせた家具配置やコーディネートを相談できます。スマホアプリでは対象商品のAR体験(自分の部屋のカメラ映像とCG合成)もできます。
ただし、AR体験できる商品はごく一部で、またバーチャルショールームも成増店他数店のみの対応なのでこれから対応範囲が広くなってくる事に期待ですね。
IKEA
北欧家具を安価に提供するイケアも店舗を増やしているのと同じくデジタル施策も次々展開しています。
デジタルショールームが配置されてトータルコーディネートされた部屋別の空間を確認できます。https://www.ikea.com/jp/ja/campaigns/digital-showroom-pub0585e8d0
360度のパノラマ画像に商品説明リンクを追加したシンプルな構成の物ですが、これくらいの機能でも十分かもしれないですね。
元々のショールームがテーマ毎にコーディネートされているので暮らしをイメージしやすいですね。
またイケアではIKEA PlaceというアプリでAR体験ができます。こちらはそのまま購入はできないので、配置イメージを確認する為に別アプリをインストールして体験するという形になるので少し面倒かなと思います。
LOWYA
実店舗を持たず通信販売・ECサイトで事業展開しているベガコーポレーションのLOWYA。EC特化型だけあって3Dコンテンツの対応商品が幅広いです。
スマホアプリではほぼすべてのカテゴリで商品を実際の自宅に配置してAR体験する事ができます。
またECサイト上の導線でも、サイズ確認する際に、ひっそりとAR体験が配置されておりさりげない気配りがいいなと思います。
ただ、AR体験の対応できていない商品と出来ている商品が一覧ではわからないので、期待していると少し残念ですね。
参考ページ:https://www.low-ya.com/
MUJI無印良品
MUJIは他の会社と少し違った3Dの活用方法を追加で行っています。
収納サイズシミュレーター
https://www.muji.com/jp/feature/size-simulator/
ユニットシェルフの組み合わせシミュレーターhttps://www.muji.net/store/pc/user/homewares/sus/sim-sus.html
収納家具を買う事は決めていてどういった構成にしたらいいか悩んでいる方には購入前に深い検討が出来るツールを提供していますね。ただ、少し導線が見つけにくいのと、システム的にも使い方が難しいですかね。以前はECサイト上からも3D配置シミュレーションツールもあったはずですが、現在ではリンクがなくなっているようです。
Amazon
もはや知らない人はいないと思われるAmazonですが、3Dの対応も若干行っています。
カテゴリと商品点数が異常に多いので誰にも気が付かれずひっそりと存在する裏技的な存在な気がします。
1つ目はスマホアプリで、カテゴリ→ホーム&キッチン→ARビューで 対象商品の『部屋に表示(ARビュー)』を押すとAR体験ができます。
サイズが複数ある商品などはサイズ変更すると部屋に配置された商品の大きさも変わるのでイメージがより伝わって助かります!ですが、ごく一部の商品にしか対応できていないので、Amazonには対応商品をもっと増やしてほしいですね。
2つ目は、ホーム&キッチン→ショールーム
こちらでは3DCGで空間イメージを確認しながら商品を変更したり、床・クロスなどの色を変更したりしてコーディネートを確認しながら購入検討する事ができます。
https://www.amazon.co.jp/showroom/switch
商品の配置場所とか自由に出来たらもっと使えそうなんですけど、こんなに自分の部屋広くないし・・・。
BoConcept
最後はデンマーク生まれの高級家具ブランドのBoConcept(ボーコンセプト)
この会社も非常にバランスよく3Dコンテンツ・システムを活用しています。
まずバーチャルショールームですが、こちらは左上のメニューから仮想ストアの訪問を選択
https://www.boconcept.com/ja-jp/inspiration/virtual-store-visit
青山ショールームの中を3Dスキャンカメラでバーチャルショールーム化していて、各商品はECサイトに連携しています。また商品の仕様を細かく設定する事ができ、例えばソファーの脚をブラウンからブラックに変えた場合に商品のサムネイル画像もそのカラー仕様に変更されます。
商品の仕様情報を3Dで管理出来ていると思います、またそのカバー率が非常に高いです。
それと店舗では、3Dシミュレーションツールを使って自宅の間取りを再現してのコーディネート提案をしてもらえます。以前新宿三丁目とフィンランドにある店舗にいった事がありますが、どちらでも同じように提案してもらえました。複数の国で同じシステムで提案できるようにしっかり教育できているようです。
ECサイトに活用する3Dコンテンツの種類とポイント
以上のように、各企業ではそれぞれいくつかの3Dコンテンツを活用していますが、それぞれの目的と導入のポイントを次に紹介していきたいと思います。
ポイント1 バーチャルショールーム
3Dスキャンカメラや360度カメラで撮影しただけの物などソリューションはいくつかありますが、どれも実際のショールームや店舗を360度パノラマ画像で撮影し、ECサイト上でショールームの中を歩きながら商品を見ているような体験をさせる事ができます。これによってコロナ禍で外出自粛の期間でも来訪・購買促進する事ができます。
今後、商品説明をしてくれるチャットボットの追加設定や、どのエリアを見たかをわかるようなマップ機能(未閲覧ゾーンを色違いにするなど)があると更にデジタル化が加速するかなと思います。
ポイント2 商品の3Dモデル化とAR配置機能
商品を3Dモデル化する事で、各商品をあらゆる角度から確認する事ができます。またカラーバリエーションなどが多数ある商品が実際どういった風に見えるかをすぐに確認できます。
実際のショールームだと、この展示品の色違いが欲しいけど、それは小さなカラーサンプルでしかわからない事もあったりしますよね。そこで購入検討をやめてしまっていた人達をカバーできている可能性はあります。
またAR配置機能によって、実際に自宅に配置した時にどれくらいの大きさになるか?大きすぎないか?色は他の既存の家具や部屋の雰囲気に合うか?などを事前に確認できる事も、買った後の後悔を大きく削減する事につながります。
こちらもできれば、ユーザーの好みだけにゆだねる現状の機能を超えて、システム側から提案・推奨できるようになると面白いですね。この部屋の大きさと雰囲気だと、この商品がおすすめです、といった形で。
ポイント3 3Dシミュレーションツール
実際の自宅の間取りを再現して、複数の商品を配置した時のコーディネートを確認できます。
現状は主に、ショールームや店舗で販売員の方が実際にツールを使って対面で提案してくれるケースが多いです。お客様にしっかり提案できるので購買率向上や、複数商品のまとめ買いに寄与します。このツールも、対面提案ツールから、オンライン接客・オンラインコミュニケーションツールへと展開していくと面白いですね。
まとめ
このように、家具・インテリア業界のシェア上位企業がこぞって同じような3Dコンテンツの活用を行っています。今後他の業界・業種・商品に関しても同じような対応が展開され、オンライン上やバーチャル空間で商品販売が可能になるECサイトが多数出てくると思います。
自社商品の販売を改善したいという時に、こういったオンライン施策・3Dコンテンツ施策を検討するのはいかがでしょうか?
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