フィールドワーカーのDXを推進するXR(VR・AR・MR)とは?

 2021.10.26  2023.08.04

デジタル技術の向上により、近年耳にする機会が多くなった「XR(クロスリアリティ)」。

ゲームやエンターテイメント分野のイメージが強かったXRですが、近年はビジネスシーンでも導入が進んでおり、DXの推進やフロントワーカーたちの業務効率化に貢献しています。

この記事では、将来性抜群の技術XRを徹底解説。VR、AR、MRの違いや特徴をわかりやすくご紹介していきます。

Digital Transformation Next ~シリコンバレー発DXレポート~(CTC DX Days 2021 chapter2 講演資料)

XRを構成する技術

XRとは、存在しない仮想空間と現実世界を融合して、新たな表現・体験価値を生み出す技術の総称です。

「X」とは未知数を意味するもので、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)、SR(代替現実)などの技術が該当します。

それぞれが各分野さまざまな形で活用されるようになったことで、より汎用性が高く利用できるXRという表現が誕生しました。

以前はゲームやエンタメ分野で耳にする機会が多かったXRも、現在はビジネス分野での活用も活発化してきており、製造業や流通業、自動車業界など、DX実現を目指す企業を中心に広がりをみせています。

VR(Virtual Reality:仮想現実)

VRゴーグルと呼ばれる専用のヘッドマウントディスプレイを装着することで、360度のコンテンツを表示させ、まるで実際にその空間にいるかのような感覚を得られる技術です。

VRには、流れる3D映像を見て授業を受けたりできる「視聴型」と、自分で操作して映像内を自由に歩き回れたり、モノを触ったりできる「体験型」の2種類が存在します。

違いを例えるなら、視聴型=360°パノラマ動画、体験型=立体シミュレーションと表現するとわかりやすいでしょうか。

VRはバーチャル空間に表示させることで没入感が高く、ビジネス分野ではよりリアルな体験価値を提供することが出来ます。

他にも、危険を伴う製造現場や医療現場での作業、教育分野でも活用シーンが増えており、VRコンテンツのアプリやプラットフォームも次々と登場しています。

AR(Augmented Reality:拡張現実)

実在する一部風景とバーチャル映像や画像などを重ね合わせて、現実世界に付加情報を表現する技術のことを指します。

ARはもともとPCで利用されていた技術ですが、近年のスマートフォンやタブレットの普及や性能の向上に伴い、AR技術も搭載できるようになったことで注目を集め、利用者や認知度も一気に増加しました。

ARの仕組みは、認識方法によって2種類に分類され、GPSや磁気センサーで認識する「ロケーションベースAR」、画像や物体を認識する「ビジョンベースAR」があります。

VR同様さまざまな分野で導入が進んでいますが、中でも家具、住宅メーカーに人気で、多くの有名企業がARを活用したアプリを開発し、ショールームで活用しています。

MR(Mixed Reality:複合現実)

文字通り、現実世界の情報に重ね合わせるARと、仮想空間を提供するVRを組み合わせた技術のことを指します。

CGによる様々な3Dコンテンツを現実世界に映し出すという点ではARと同じですが、MRではスマートフォンをかざすことなく、VRのように専用のゴーグルを装着して自由に複合現実を体験することができます。

MRの大きな特徴が、専用ゴーグルを装着すれば複数人で空間を体験できることです。この技術によって、医療現場や製造現場で作業を行う際、複数人で同じ情報を見ながら業務を進めることが可能になります。

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XRの活用シーン

ここまでXRの特徴について紹介しました。では、実際の現場ではどのような場面で利用されているのでしょうか。
ここからは、XRの活用シーンをVR、AR、MRの順にご紹介していきます。

【VR】工場見学

製造業では、材料の出荷や製造レーンでの運送といった現場の効率化だけでなく、企業のVR工場見学をコンテンツとして発信している企業もたくさんあります。

アサヒビールでは、スマートフォンを使用してアサヒスーパードライVR工場見学を閲覧することが可能。

大手航空会社ANAでは、年間6万人が参加する機体工場見学を360°のVR動画で楽しむことができます。

VR工場見学は、自社商品の宣伝につながるだけでなく、工場で働く社員のモチベーション向上も期待できるでしょう。

【AR】遠隔地からのサポート

ARアプリやシステムを導入することで、熟練作業員が遠隔地から現場に指示やサポートを行うことが可能です。指導員がわざわざ現場に出向くことなく、リアルタイムに情報共有を図ることができます。

また、ARを搭載した遠隔支援システムなら、製品を組み立てる手順や機械の点検方法を映像化し、新人教育にも役立てることが可能です。

製造現場において高齢化による技術継承や属人化は大きな課題となっており、今後は、AR技術が製造業のスタンダードとなることも考えられます。

【MR】製品シミュレーション

製造業では1つの新製品を製造する際、何度もシミュレーションを繰り返して完成に近づけていきます。

しかし、2次元のシミュレーションではどうしても実際のものとは見劣りし、現実味もありません。

そこで、最新のMR技術を活用することで高精度のシミュレーションが可能になります。3D映像は原寸大で表示でき、実物に重ね合わせることもできます。

製造分野から歯科治療など、幅広い分野で活用が進んでいますが、特に期待されているのが建築業界です。リアルサイズで立体的に図面確認ができるため、完成イメージとのズレ防止に効果的です。

CTCが提供するXRサービス一覧

XR製品を多数取り扱っているCTCが提供するサービスをご紹介します。

Atheer

米国生まれの Atheer Front Line OS™は、フロントワーカーたちのサポートする遠隔作業支援機能を搭載したARプラットフォーム。
OSやH/Wを選択できる利用シーンに合わせた「クロスプラットフォーム」、「ビデオチャット機能」によって、遠隔地とのリアルタイムなコミュニケーションをサポート。「デジタルワークフロー」の機能を活用することで、作業手順書や指示書の電子化にも対応し、現場作業員の作業支援機能も充実。

ファストVR

株式会社クリーク・アンド・リバーが提供する「ファストVR」は、最短2時間でオリジナルの教材用実写VRを自社制作できる、教育・研修⽤VRのセルフサービスパッケージ。
従来の2次元教育コンテンツでは表現できない没入感のある映像で、実践前の事前段階での「慣れ」を支援。

3D Room Designer™

「3D Room Designer™」は、VRやARの能力を駆使して、オンライン営業やデジタルマーケティングを促進する3Dビジュアライゼーションプラットフォーム。
既存の製品CADデータがあれば、組立ロジックを作成して3D上でシミュレーションをすることが可能。

vrTours3D

「vrTours3D」は、不動産やリフォーム、観光業界の効率化に貢献する3D間取り自動生成クラウドサービス。
手間のかからない簡単操作で、2D間取りデータや3Dモデルデータを作成。これまで現場情報の記録に費やしていた工数を大幅に削減することが可能。

まとめ

今回は、今後あらゆる分野での業務改革が期待できるXRについてご紹介しました。

すでに多数の製品がリリースされているXRですが、これから導入を検討される場合は、サービスの機能やメリットを十分理解した上で、自社の業務に最適なXR製品を選択しましょう。

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