業務改善とは? そのメリットやステップのほかフレームワークも紹介

 2022.12.16  2023.06.08

業務改善を進めたいと考えてはいるものの、どのようなメリットを得られるのか、どう取り組めばよいのかと頭を悩ませる企業経営者や担当者も少なくないでしょう。業務改善を成功させるには、正しい手順と方法による取り組みが求められます。本記事では、業務改善の概要やメリット、取り組むときの流れ、役立つフレームワークなどを解説します。

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業務改善とは

業務改善とは、業務の流れや取り組み方などを見直して改善を図ることを指します。表面化していない課題を抽出し作業の効率化を進め、生産性向上による組織の利益拡大が主な目的です。

企業が業務改善に取り組むべき理由として、少子高齢化に伴う労働人口の減少が挙げられます。日本の少子高齢化は社会問題化しており、今後企業はますます人材の確保が難しくなると考えられます。限られた人員で今までと同等、もしくはそれ以上の生産性を実現するには、業務の見直しと改善が欠かせません。

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業務改善のメリット

企業が業務改善に取り組むメリットとして、コストの抑制が挙げられます。また、効率的に業務を遂行できる環境が整えば従業員にのしかかる負担を軽減でき、コア業務へより多くのリソースを投入できるメリットもあります。

コストの抑制

業務改善によってコストの抑制につながる点がひとつのメリットです。たとえば、業務のなかに無駄な作業があると、それだけで余計な人件費がかかります。業務の流れや取り組み方などを見直して無駄を発見し、改善できれば人件費をはじめとしたさまざまなコストを削減できます。

また、業務の進め方を見直して標準化が進めば、人材育成コストの削減も可能です。業務のフローや取り組み方をわかりやすく解説したマニュアルを整備すれば、これまでのように育成へ多大な時間を費やすことがなくなり、短期間で新人を即戦力として育てられます。

さらに、業務を効率よく進められるようになれば業務時間の短縮にもつながり、オフィスの水道光熱費、通信費といったコストも削減できます。

負担の軽減

業務に無駄が多いと、従業員に余計な負担をかけかねません。個々の従業員に過度な負担を強いてしまうと、それが原因で体調不良を招き、現場が回らなくなるといったおそれもあります。

業務改善に取り組み、無駄な作業を排除できれば従業員への負担を軽減できます。効率的に業務へ取り組めるようになったことでモチベーションもアップし、より意欲的に業務へ取り組んでくれるようになる可能性もあります。

また、無駄な作業がなくなれば従業員はより重要な業務に注力できます。コア業務により多くのリソースを割けるようになり、利益拡大につながります。

業務改善のステップ

行き当たりばったりで業務改善に取り組んでも、失敗するおそれがあるため注意が必要です。スムーズに業務改善を進めるには、現状を正確に把握したうえで目標や方針、実施内容を決め、計画に沿って取り組みを進めましょう。

現状の確認

現状がどうなのか把握できていないと、何をどう改善すべきかが見えてきません。そのため、まずすべきは現状の確認と把握です。どのような業務がありどういった課題があるのか、漏らさず抽出していきましょう。

この際に、ムリ・ムラ・ムダが発生していないかどうかを意識することが大切です。業務改善の取り組みでは、このムリ・ムラ・ムダの3つを発見し改善を進めます。

現状を確認し解決すべき課題を抽出できたら、優先順位もつけましょう。重要度や緊急度が高いものから優先的に取り組みを進めるのが一般的です。

目標・方針の策定

課題の抽出と優先順位決めが終わったら、目標や方針を策定しましょう。目標を設定する際には、具体的な数値を用いることが大切です。具体的な数値で目標設定しないと、課題を解決できたのか、解決に近づいているのかといったことを判断しにくいためです。

たとえば、「業務時間を2時間短縮する」や、「生産台数を20%増やす」といった具合です。また、期限を定めないとダラダラと取り組んでしまうおそれがあるため、〇月〇日までに、と期限を設けるのも有効です。

実施内容の検討

抽出した課題をどのように解決するのか、実施内容を検討するプロセスです。誰が担当するのか、どういった方法で取り組むのかを検討していきましょう。

課題解決のためにどのようなタスクがあるのかを正確に洗い出すことが大切です。そのうえで計画を立てて進めていきましょう。

改善の実行

打ち出した計画に沿って改善策を実行するプロセスです。改善の施策を実行したらそこでお終いではなく、振り返りや評価など効果検証をしっかりと行うことも大切です。

効果検証を行わないと、施策の成果が出ているのかどうか判断できません。業務が改善しているような気がしているだけで、実際には実行前とほとんど変わっていない、といったことも考えられます。これではいたずらに時間を無駄にしてしまうため、効果検証はしっかりと行いましょう。

また、成果が得られた施策については、現場に定着するよう継続的な取り組みが求められます。成果が想定を超えてこなかったケースでも、見直しと実行を繰り返すことによって施策のブラッシュアップが可能です。

業務改善のフレームワーク

業務改善を効果的に進めるため、フレームワークを活用するのもひとつの手です。業務改善に役立つ代表的なフレームワークとしては、ECRSやPDCAサイクル、ロジックツリーなどが挙げられます。

ECRSとはEliminate(排除:取り除く)・Combine(結合:つなげる)・Rearrange(交換:組み替える)・Simplify(簡素化:単純にする)の頭文字をとった言葉であり、排除、結合、再配置、簡易化からなる四つの視点で問題点の抽出を進めるフレームワークです。たとえば、排除できる無駄な作業はないか、ひとつにまとめられる仕事はないか、担当者の再配置でより効率化できないか、作業がもっと簡単にならないか、といった具合です。

やみくもに業務の問題点を抽出しようとしても時間がかかります。ECRSのフレームワークを用いて、四つの視点に基づき抽出を進めれば、スムーズに問題や改善策を発見できます。

PDCAサイクル

PDCAサイクルは、計画と実行、評価、改善のサイクルを繰り返し回すフレームワークです。まずは計画を立ててから実行に移し、施策の効果がどの程度表れているのか評価したうえで、必要に応じて改善策を考えます。

改善策を考えたら再び計画を立て、実行→評価→改善とサイクルを回していきます。これの繰り返しによって、最初はあまり成果が見られなかった施策も少しずつブラッシュアップが進み、成果を得られる可能性があります。

ロジックツリー

ロジックツリーとは、特定のテーマからツリー状に深掘りしていく問題解決のフレームワークです。大きなテーマから問題をどんどん細分化することで、根本的な原因の把握や改善策の立案につながります。

現状を把握しやすく、ロジカルに解決策を導き出せる点がメリットです。また、現状における課題を可視化できるため、チームで情報を共有しやすくなる利点もあります。なお、ロジックツリーを作成する際には、大元となるテーマを明確にすることが大切です。大元のテーマ、問題が不明確では正確な解決策を導き出せません。

まとめ

業務改善に取り組み業務の無駄やムラなどが排除できれば、効率的に仕事を進められるようになりコスト削減につながります。また、従業員への負担を軽減でき、コア業務により多くのリソースを割けるようになるのもメリットです。
業務改善をスムーズに進めるには、現状を把握したうえで目標や実施内容を決め、実行したあとはきちんと効果検証も行いましょう。やみくもに取り組むのではなく、ECRSやPDCAサイクル、ロジックツリーといったフレームワークを活用することで、効率的に改善を進められます。これらのフレームワークをうまく活用しつつ、業務改善に取り組んでみましょう。

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