前回はAlationの機能の「リネージ」についてご紹介しました。データ側の信頼性が失われるとそれを元に作成しているBI(Business Intelligence)のダッシュボードも信用できなくなります。信頼性が失われたオブジェクトが影響を与えるものはどれなのか?を、リネージを使って確認できることは大変便利だと思われたのではないでしょうか。
今回は「コンポーズ」についてご紹介します。
コンポーズ(Compose)とは
コンポーズはAlationが提供するSQLエディターです。SQL文を書いてデータソースにクエリを発行するだけでなく、SQL文を保存し管理することも可能です。
SQLはDB(Database)やDWH(Data Warehouse)からデータを抽出するための言語なので、自分には関係なさそう、と思う方もいるかもしれませんが、Alationの機能としてどのようなものなのかを一緒に確認していきたいと思います。
データを必要としている人は、まずはAlationの検索機能を使って目的のデータがどこにあるのか、信頼できるのか、を確認していきます。では、目的のデータがみつかった後はどうするのでしょうか。誰かに依頼してデータを入手したり、自らデータに直接接続を行うことで、データ分析などの本当にやりたかった業務を進めていくことになるでしょう。その際、データを取り出す作業の担当者や直接接続を行う人は、一般的にはSQLを使いますが、SQLの入力には、データソースごとに専用のアプリを使う場合も少なくありません。
コンポーズは、データの検索と信頼の確認ができたら、そのままAlationの画面(ブラウザ)からデータを入手する作業も可能となるので、いろいろなツールを使いわける手間が省けます。
また、複雑なSQL文の作成は構文を調べながら作成しなければ難しい人もいるでしょう。AlationにはSQL文を登録する機能があるので、既に登録されているSQL文をそのまま使用するだけでなく、自身の学習目的でSQL文を参考にすることもできます。SQL文はコピーすることで任意のアプリから実行することも可能です。
コンポーズを使ってみる
Snowflakeの「注文」表に対して、コンポーズからアクセスしてみたいと思います。「注文」表の確認画面の右上に表示されている Compose をクリックします。
コンポーズの画面に遷移します。エディター内には SELECTのFROM句で「注文」が入力された状態で表示されていますので、必要な文に変更していきます。
SQL文はデータソース側の規則(この例ではSnowflake)に従って入力します。SQL文が完成したら Run をクリックすると実行することができます。
結果が表示されているエリアのメニューにある Download をクリックすると、結果データをファイル(csv)としてダウンロードするかクリップボードにコピーするかを選択できます。
SQL文作成時の便利な機能として、表名と列名が英語の場合には入力を補助するものがあります。設計上のルールにより表名と列名は英数字のみで構成されている組織も少なくありません。そのような場合にはこの補完機能も役立てていただけることでしょう。以下は列名として TIT と入力すると2つの候補が表示された状況を示しています。
SQL文の保存
組織のメンバーがよく使うであろうSQL文を保存しておくことができます。
作成したSQL文が表示されているエリアのメニューにある Publish をクリックすると、QueryコンテンツとしてAlationに保存できます。
保存された直後は、信頼状態は設定されていないので、信頼して使っても大丈夫なことを利用者に示すためにも信頼のフラグを設定しておくと良いでしょう。
コンテンツとして保存されているので、検索の対象にもなります。
以下は「北海道」で検索した結果の中に保存したクエリがHITしたものになります。
なお、検索時のフィルタリングでタグが使えるように、コンポーズからタグ付けを行うこともできます。
データへのアクセス権
コンポーズを通じてクエリが成功するためには、ユーザーにデータソースへのアクセス権が必要となります。アクセス権はそれぞれのデータソースで管理されるため、どのようにしてアクセス権をリクエストすれば良いのかについては組織の管理者にご相談ください。
Alationでは各データソースの説明文(Description)に、データへのアクセス権についての情報を追加している利用者もいます。
また、Open With の機能を使用すれば、JiraやService Nowなど他の製品とも連携できます。組織内でリクエストの処理フローがある場合には、これらのツールと連携する運用もおすすめです。
コンポーズ以外でのデータへのアクセス
Alationのクラウド版をご利用の場合には、Connected Sheetsの機能により、ExcelやGoogle Sheets のスプレッドシートからAlationを通してデータソースのデータを取得することも可能です。
Alationに接続して、テーブルやクエリを選択します。
テーブルを選択した場合には、列の選択や抽出行に対するフィルタを設定することが可能です。SQL文を書くような複雑な条件でのデータの抽出は難しいですが、SQLに慣れていない人でもデータの取得が簡単に行えるのでビジネスユーザーにとっては重宝されている機能となります。※Alationへのアクセス権とは別にデータソースへのアクセス権も必要です。
第7回は「Alationの機能《コンポーズ》」についてお届けしました。
次回は「Alationのデータガバナンス」についてご紹介いたします。
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