マーケティングのデジタル化構想策定の勘所

 2024.03.21  2024.11.19

マーケティングのデジタル化構想策定の勘所

デジタルマーケティングソリューション

はじめに

マーケティング分野でのデジタル化が進んでいますが、各企業から以下のお困りごとを良くお聞きします。

  • 社内にデータが散在しマーケティング施策に活用できる環境が整っていない
  • データを分析してマーケティング施策の改善につなげるノウハウが無い
  • マーケティング施策のPDCAが回せていなく、施策実行のスピードが遅い

マーケティング活動のデジタル化は、広告の単なるデジタル化ではありません。本来の意味は、マーケティング活動をデジタル化することで、新たな顧客体験を創出し新たな顧客や市場の獲得を目指すものです。そこでマーケティング活動のデジタル化構想は、組織の目的達成のため、必要な各要素を有機的に連動させ、マーケティング活動のデジタル化を具体化する計画の策定を狙いとしています。

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構想策定の骨子

先ず構想策定の骨子を解説します。構想策定は以下の3ステップで進みますが、各ステップは下記に示す各要素で構成され、各要素について組織が実現すべき目的に応じて必要な要件を明らかにします。各要素の内で1つでも要件が満たされなければ、期待する効果が十分に発揮出来ないため、網羅的な計画の検討が必要になることが判ります。

マーケティングのデジタル化構想策定の勘所

表.構想策定のStepと構成要素

構想策定の勘所

では、組織の目的を達成するための構想を策定においてで「何がポイントになるのか?」、主な3つの要素について検討するうえでの勘所をそれぞれ紐解いていきます。

施策検討の勘所(Step1-②)

施策の検討は、対象者のペルソナ(※具体的な人物像)を設定し、カスタマージャーニー(※商品を購入し、利用、継続・再購入するまでの道のり)に沿って顧客へ訴求するアクセスポイントを決め、どの様に訴求するかコンテンツ(※商品情報、画像、動画等)を設定します。また、施策は必ずしも1つでは有りません。ファネル(※商品の認知から購入までの顧客状態)の段階に応じ顧客のインサイト(※行動の思惑)を導き出して検討が必要となります。この際に、対象者がアクションを起こす状態を想定し施策検討したのでは、従来の広告がデジタル化したものと何ら変化が無いものとなります。現在の顧客は常に自らさまざまな情報にアクセスし、自らの価値観などに合ったものを探し求めているため、潜在的な購買意欲を顕在化させるアプローチの施策検討が必要となります。
このアプローチでは、デジタルの活用により、同一の価値観を有する対象(=セグメント)を明らかにし、意図するターゲットにダイレクトにメッセージを届けることが可能となるといえるでしょう。
上記を具体化する施策検討のポイントを以下にまとめました。

  1. 対象顧客や顧客インサイトを明らかにする上で、どのようなデータが必要になるか
  2. 自社で保有するデータで実現可能か
  3. 不足データは外部から入手可能か(※代替可能なデータはあるか)

効果的な施策を作るには、先ずは上記を踏まえさまざまな仮説を作り、仮説を試行してみることもポイントとなるでしょう。

データ検討の勘所(Step2-③)

検討が必要なデータとして、a.顧客データとb.コンテンツデータの2つがあり、先ずはa.顧客データについて紐解きます。

  • 顧客データには「誰」に該当する「IDデータ(属性データ)」と、「何時」に該当する「ログデータ(行動データ)」があります。IDデータは対象を特定することはもちろんですが、匿名状態(アノニマス)と特定状態(ネームド)を紐づけることが必要です。これにより明確な対象の行動を把握が可能となります。次にログデータですが、サイトへのアクセスログやSNS投稿などデジタル上の行動だけでなく、営業活動によるアプローチやコールセンターへのアクセスなども加味し分析することが必要です。対象のインサイトの分析にはIDデータとログなどが紐づけられていることが不可欠で、これらの分析により対象のインサイトを導き出され、アプローチすべき対象や訴求点が明らかになります。
  • コンテンツデータは、適切な版(※必ずしも最新版とは限らないため)で提供することはもちろんですが、テキストや画像、動画などを提供方法に合わせ、最適に選択することも必要です。近年は興味のないコンテンツの滞留時間は5sec程度と短くなる傾向が強まっており、適切なコンテンツを選択・提供できないことは命取りとなります。また、コンテンツには肖像権等所有権が付加されているケースもあり、権利管理も必須な事項となります。
    データ検討のポイントとしては、自社のやりたいことに対し、上記の点で過不足ないようにする必要があります。

システム検討の勘所(Step2-④)

システム検討の勘所は、前述した①及び②を実現するために、下図の様な仕組み(DXP:Digital Experience Platform:デジタル体験プラットフォーム)の検討となります。この仕組みは3つの要素から構成されますが、各要素が有機的に連動し機能することが不可欠です。また、各要素の規模や機能は自社(※計画を策定する企業)で提供する製品やサービスの内容に依存し、自社が実現したい事項に立脚したものでなければなりません。

マーケティングのデジタル化構想策定の勘所

図.デジタル体験プラットフォームイメージ

仕組みを構成する各システムのポイントについては、前出の本DBSブログ記事に特集しているものもありますので、そちらを確認いただければ良いかと思います。

まとめ

ここまでにマーケティングのデジタル化構想の枠組みや各要素検討上のポイントを例示しました。冒頭にも述べましたが、各企業ではデジタルマーケティングの導入が進んでいます。しかし、前述した各要素や枠組みの検討が不十分と想定される事例が散見され、充分に期待効果を獲得できていないケースが見受けられます。マーケティングのデジタル化で上手く効果が出ていない等お困り事があれば、先ずは各要素の状態を自己点検されることを推奨します。また、計画そのものが上手くできない、各要素が有機的に機能しないなどお困りごとがありましたら、お気軽にお問い合わせください。

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