ビジネスにおけるデータ活用の有用性が注目されている昨今ですが、データが様々な場所に散在し、孤立していてはその効果を十分に発揮できません。全社的にデータ活用を進めるためには、部門を横断してデータ連携させることが必須です。そこで本記事では、企業におけるデータ連携のメリットや注意点などを分かりやすく解説します。
データ連携とは
データ連携とはその名の通り、企業内外にある様々なデータをシステムで繋ぎ、情報資産として有効活用できる状態にする方法を意味します。ストレージ技術やAI技術などの向上によってデータ活用の有効性がますます高まっている現在、データ分析に力を入れる企業は年々増えつつあります。タイムリーなデータ分析を実現し、その結果を活用することがいまやビジネスにおいて必要不可欠になりつつあるのです。データ連携は、企業がデータを活用する上での前提となる取り組みであると言えます。
データ連携によくある課題
データ活用を進めようにも、思うように進まない企業の中には、データ連携の時点で引っかかっている場合が多くあります。主な課題としては、「データが分散している」、「データの加工に手間がかかる」「データ登録を手作業で行っている」などが挙げられます。
1.データが分散している
まず、データ連携においてネックになりがちなのが、データが部門ごとなど様々なデータベースに分散し、孤立(サイロ化)していることです。日本企業は部門ごとに最適化したシステムを使用していることが多く、データも部門ごとのデータベースに保存されているケースがしばしばあります。また、システムをクラウドとオンプレミスで使い分けている場合も、データはそれぞれのシステムに分散しており、システム面・セキュリティ面などの都合によってデータ連携を難しくしています。このように、データの保管場所がそれぞれに異なると、全社的なデータ連携が容易ではありません。
2.データの加工に手間がかかる
データ加工の手間も連携を阻む大きな要因です。上記で述べたように、日本の企業では部門ごとに独自のシステムを使っているため、そこに保存されているデータも独自規格のフォーマットを使用していることが多くあります。そのため、部門間でデータを連携させる際には、このフォーマットの違いが障害になり得るのです。
3.データ登録を手作業で行っている
データ登録をExcelファイルなどに手作業で入力している場合もデータ連携を難しくさせます。手作業でのデータ入力は入力ミスなどのヒューマンエラーを起こしやすいだけでなく、データ連携をシステム化するときの障害になる場合があります。
データ連携のメリット
データ連携を行うことで、企業にはどのようなメリットがあるでしょうか。以下では、主なメリットについて解説します。
データの統合
ばらばらに管理されていたデータを連携させることで、企業のあらゆるデータの統合管理が実現できます。統合したデータをツールで分析することによって、データの見える化もできるでしょう。これによって各部署が参照するデータは共通したものになり、部署間の連携や相互理解も促進できます。
新しいビジネスチャンスの可能性
個別のデータからは見えなかったような事柄も、相互に組み合わせて分析することで何かしらの傾向や規則性が見えてくることがあります。つまり、データ連携をした膨大な社内データを分析することで、新たなビジネスのヒントを発見できる可能性があるのです。実際にデータ活用から生まれた新商品・新サービスも数多くあり、データ連携のビジネスにおける有用性は広く知られるようになりつつあります。
管理コストの削減
管理コストの削減もデータ連携によって期待できる効果のひとつです。独立性の高いシステムが乱立している場合、保守管理の手間やコストはシステムの数だけ大きくなってしまいます。しかし、データ連携できる基盤づくりを通してシステムの統合管理が実現すれば、企業全体でシステムの稼働状況を一元的に把握可能です。保守管理の効率化によって、これまでその業務に当たっていた貴重なIT人材も、他のより重要な職務に集中できるようになるでしょう。
データ連携を行う際の注意点
大きなメリットのあるデータ連携ですが、実際に導入しようとしてもうまくいかないケースも中にはあります。注意点としては次のようなものがあります。
1.システムのブラックボックス化
データ連携をする際には、連携先のシステムに適合したプログラムが必要です。しかし、プログラムの仕様がプロジェクトごとにばらばらであったり、仕様変更を繰り返したりしていると徐々に複雑化していき、どのような構造になっているのかブラックボックス化してしまいます。ブラックボックス化が起こると、システムに手をつけるのが難しくなり、データがどのように繋がっているかの把握や、障害発生時の原因究明も困難になります。
2.連携したいサービスと連携できない場合がある
上記のブラックボックス化と関係して生じやすいのが、連携したいサービスと連携ができないという事態です。データ連携の実施においてはただでさえ、データを整合させる必要があるだけでなく、相互に影響し合うことによって修正ないしは更新作業などが難しくなりがちです。そこにブラックボックス化が重なれば、新たにデータ連携を行おうにも、プログラム構造が把握できていないため対応できない可能性があります。また、それを解決するために開発コストが増大してしまう場合もあるでしょう。
3.オンプレミス-クラウド間のデータ連携は複雑化しやすい
現在の企業はオンプレミスのシステムとクラウドサービスを併用していることが多いです。オンプレミス環境でさえ多様なシステムが混在している上、そこにクラウドシステムまで加わることによって、データ連携プログラムはさらに複雑化します。とりわけクラウドサービス上のデータについては、注意深くセキュリティ対策を取る必要もあるため、これらの間で整合的にデータ連携を行うためには、安全性と利便性を両立したプラットフォームを整備することが必要です。
「Informatica」でデータの連携・活用を加速させる
Informaticaが提供する「Intelligent Data Platform」は、インテリジェンスと自動化機能を備えた製品ポートフォリオを通じてデータ活用を加速させます。クラウドネイティブ、マイクロサービスベース、API主導型、AI搭載によりマニュアル作業を自動化させ、データアクセスの簡素化によるセルフサービスアナリティクスを実現させます。またデータマネージメントの改善からガバナンスの向上と信頼性の確保によるリスク軽減という付加価値が得られ、データが可視化されることにより、迅速で正確な意思決定を行うことができます。
まとめ
企業がデータ活用を進めるためには、部門横断的なデータ連携が欠かせません。データ連携にはデータ加工など煩雑な作業が要求されることもありますが、部門を超えた情報共有や、新たなビジネスチャンスの発見など、様々な効果が期待できます。
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